入出力データの構造不一致検出解決法に関する実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
非手続き型言語からメモリ効率や実行効率が良いプログラムを生成するためには,Jacksonの構造的プログラム設計法の主テーマである入出力データの構造不一致を検出し解決する必要がある.そこで著者らはすでに,非手続き型言語によく現れる集合と写像の性質に着目した,構造不一致自助検出解決法を提案した.本論文では,その検出解決法を実用化していく上の課題とその解決案を明確化するために行った実験について報告する.著者らは,集合と写像の性質を持ったER(Entity-Relationship)モデルに基づく非手続き型言語PSDL(Program Specification Description Language)のコンパイラヘ適用して実験を行った.このコンパイラは,PSDL仕様を有向グラフヘ変換し,集合と写像の性質を用いて解析の上,部分グラフに分割する.さらに,その部分グラフに基づいてプログラム構造を決め,スケルトンを用いてCプログラムを生成する.このコンパイラによる実験の結果,1)グラフ解析方法の改善による構造不一致検出解析精度の向上,2)スケルトンの洗練による被生成プログラムの効率向上,3)ヒューリスティックな解析法を用いた被生成Cプログラムの大局的最適化によるコンパイラの性能向上,の課題と解決案とが明らかになった.被生成プログラムの効率の悪さは手書きのものに対して1.3倍から2.5倍の程度であり,上記の改善案を実現すれば,実用的なプログラムが生成可能と予想される.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-05-15
著者
関連論文
- 鉄鋼プロセス制御システム開発一貫支援システム : ドキュメントエディタ
- ERモデル+制約を用いた対象世界の記述による高次部品化について
- partialな状態による呼処理の仕様記述
- リアルタイム・ソフトウェア仕様の時間に関する一考察
- プランナーと要求定義
- 概念データモデルに基づくプログラム仕様記述言語の実時間処理への拡張
- 入出力データの構造不一致検出解決法に関する実験
- 高次部品化における概念辞書の構造
- ヒューリスティックなカットセット解析によるPSDLコンパイラの処理ネック解決
- 概念モデル上のカーディナリティに着目した仕様の洗練化
- E-Rモデルと制約に基づく仕様部品の合成と制約論理プログラムへの変換
- E-R モデルを用いた視覚的プログラミング言語 : PSDL-GR とその一実現法
- 非手続き型言語と入出力データの構造不一致
- プログラム仕様記述法PSDMを用いたプログラム量産方式の提案