概念データモデルに基づくプログラム仕様記述言語の実時間処理への拡張
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概要
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対象世界の構造的側面,すなわち対象世界に現れる概念のつながりに着目した,概念データモデルに基づくプログラム仕様記述言語を,実時間処理へ適用するための拡張方法を提案する.従来,実時間処理用の仕様記述言語には,事象や状態遷移といった対象世界の動的側面,すなわち対象世界の時間の流れに着目した言語が多かった.しかし,それらの言語は,大量の情報処理が混在する実時間処理の仕様を理解しやすく記述するのには必ずしも適していない.このため,構造的側面に着目した実時間処理用の仕様記述言語を研究することが重要である.ところで,構造的側面に着目した言語では,時間的な関係も概念のつながりと同様な構造として記述される.このため,実時間データ入力や,実時間データ出力,長時間連続稼働といった実時間処理の特徴に対しては,言語仕様や,プログラム生成法,言語適用法に特別な対策を要する.そこで本論文では,筆者らが研究中の概念データモデルに基づくプログラム仕様記述言語PSDL(Program Specification DescriptionLanguage)の上でそれらの対策を述べる.具体的には,実時間データ入出力相互の時間的前後関係を取り扱うための入出力タイミング制約を記述する言語仕様や,ブログラムを生成するためのタイミング不一致の検出解決法,因果関係を考慮した言語適用法などを述べる.また,プログラム生成法の一部について行った実験についても述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-15
著者
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