Incomplete Stackを用いた並列一般化LRパーザPGLRについて
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概要
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筆者らは既に,並列一般化LR構文解析アルゴリズムの効率化を図るために,重複計算を避けると共に,プロセスの同期を低減する手法として,Incomplete Stack(以下ISと呼ぶ)というデータ構造を提案している.これに対し,本研究ではプロセスの同期を完全に排除することを目的として,New Incomplete Stack(以下NISと呼ぶ)の形式を提案している.われわれは,このNISを用いて並列一般化LR構文解析を行うパーザをPGLR(Parallel Generalized LR Parser)と呼んでいる.本論文では,PGLRの動作原理を明らかにするとともに,NISを用いることが,解析速度の向上に大きく寄与することを実証している.PGLRは次の特徴を有する.(1)与えられた入力文を左から右へと解析する.(2)文の構文的な曖昧性を並列に解析する.(3)重複計算をすべて回避する.(4)NISを用いて,非同期な並列構文解析を行う.(5)文法に与えた制約により,漸進的な暖昧性解消を行うことができる.効率性を実証するために,英語を例にとり,解析時間の計測を行った.実験には規則数399のDCGと単語数653の辞書を用いている.実験の結果,NISはNISを用いない場合と比較して,最大3.1倍の解析速度の向上をもたらすことを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-01-15
著者
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