文科系学科におけるコンピュータサイエンス教授法 : データベース教育を事例にして
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概要
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コンピュータサイエンスは, 理論・抽象化・設計の3つの領域を, 系統的に網羅した学問体系である. 文科系学科におけるコンピュータサイエンス教育は, なかなか浸透していないのが現状である. この原因には, 理数科嫌いの学生があげられる. 数理科学をベースにした基礎理論や抽象的な概念について, 理解できずに拒否反応を起こすためである. 著者の所属する文科系学科におけるデータベース教育(前期に「データベース概論」を, 後期に「データベース技法」を実施)においても, 数年前からこのような問題が顕著になった. そこで, 新たな改善策として, 前期に「データベース技法」を, 後期に「データベース概論」を実施するように変更した. 演習を通して具体的な技術を経験したうえで, 講義でそれらの技術の基盤になっている概念や理論を展開することにした. その結果, 学生の理解力が向上し, 途中での履修放棄がなくなった. 以上より, 文科系学科におけるコンピュータサイエンスの教授法としては, 講義だけでなく演習も併設すること, 演習と講義の関連を明らかにすること, 演習から講義へ「技術(具体化)から理論(抽象化)へ」という展開が適していることが分かった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-12-15
著者
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