(14)静岡県内の野生化したイタリアンライグラス集団で見出された糸状菌エンドファイト
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概要
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静岡県中部の野生化したイタリアンライグラス(Lolium multiflorum)集団から種子を採集,顕微鏡観察したところ,6地点からのサンプルで80%以上の種子に糸状菌の内在が認められた.近縁のペレニアルライグラスではNeotyphodium属の糸状菌エンドファイト(N.lolii)の種子伝染と全身感染が広く知られ,交雑を介したL.m.への伝染も考えられたため,これらのサンプルを発芽させて植物組織を顕微鏡観察した.その結果,一部サソプルで地際部周辺にわずかに糸状菌が認められたが,展開葉周辺の葉鞘裏面表皮からはいずれのサンプルでも糸状菌は認められなかった.採集地点毎に数株ずつの植物からDNAを抽出し,Moonら(1999)によるNeotyphodium属菌に特異的なマイクロサテライトマーカーを用いたPCRによる検出・識別を試みたところ,3地点からの植物各1株から,Neotyphodium属菌のゲノムに由来すると考えられる増幅産物が検出された.そのサイズ等はN.loliiで報告されたものとは異なり,うち2点は近年海外で一年生ライグラスから新種記載されたN.occultansに類似していた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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