電子メールを用いた組織間交渉事例の分析(<特集>グループウェアとネットワークサービス)
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概要
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電子メールを用いたコミュニケーションは,その情報伝達できる内容の乏しさゆえ,誤解や論争の発生などの問題点が指摘されている.このような問題に対し,これまでのComputer Supported Cooperative Workに関する研究では,人の存在感や雰囲気(すなわち"awareness")を伝達可能なリッチなメディアを使うことが重要であるとされてきた.しかし一方で,電子メールや電子掲示板という多義性の高いメディア(すなわち"リーンメディア")でも協調作業が成功する例が報告されている.我々は先にオープンソースソフトウェアの開発を分析し,action-biasedな行動様式が生まれていることなどを明らかにした.本論文では電子メール上の組織的な交渉例(実際に行われた国際会議の統合)を取り上げ,awarenessのない状況でいかに協調作業が成功したかについて分析する.この結果,1.明確に対立意見を述べながらも対立相手をぼかす無指向性(omuni-directional)なコミュニケーションが頻繁に行われている,2.電子メール会議の特徴を生かし,少人数グループがアドホックに次々と作られていることが分かった.これらの観測結果は,電子メールにおける"awareness"の欠如を克服しようとした結果,生じた現象であると考えられる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-11-15
著者
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山下 直美
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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山下 直美
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション基礎科学研究所
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野村 早恵子
カリフォルニア大学サンディエゴ校
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野村 早恵子
京都大学情報学研究科社会情報学専攻
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石田 亨
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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早水 哲雄
京都大学情報学研究科
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