ディジタル化時代への著作権法の対応速度に対する批判に関する一考察
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概要
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日本の著作権法にはディジタル形式で表現された著作物に関する規定がないという不満がある, といった批判が散見される.しかし, 著作物の複製の製造工程を吟味すると, 著作物の複製がアナログ形式なのかディジタル形式なのかを判定するのが非常に困難であることがわかる.したがって, 著作権法の条文において, ディジタル形式の著作物についてのみ適用される複製や領布に関する規定を定めることは困難であるし, 現実的ではない.問題は著作物の複製のディジタル性にあるのではなく, 無許諾複製という行為に存在するからである.ビデオゲームソフトの中古品の売買に対し, 映画の著作物の領布権の規定を適用することの是非論議においても, 無許諾複製という行為の観点からの論議が欠けている.
- 1998-05-28
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