アメリカ教育行政学研究序説(第X報) : A.B.メールマンの教育行政学の特徴
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概要
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アメリカの教育行政学者のなかで,A・B・メールマン(ArthurB.Moehlman)ほど,戦後日本の教育行政理論に大きな影響を与えた人物はいないであろう。それは,教育基本法第10条(教育行政)規定,とりわけ同条第2項のそれは,彼の教育行政理論を下敷きにしたものと考えられること,教育基本法第10条の教育行政のあり方を説明する場合,アメリカの教育行政学者の典型として,日本の教育行政学者によってしばしば引用されたこと,などによる。もっとも,教育基本法第10条第2項の教育行政の任務と限界に関する解釈をめぐっては,戦後久しく激しい対立が続いていることは,改めて説明するまでもないところである。それゆえに,ここで彼の教育行政理論を検討することは,教育基本法第10条の正しい解釈を導き出すためにも,欠くことのできない基礎作業となる。これが本稿の目的の一つである。今一つの目的は,メールマンがアメリカ教育行政学の流れの中で,どのような位置を占めているかを明らかにすることである。つまり,メールマンの教育行政理論の検討を通して,アメリカ教育行政学の特徴を跡づけてみようということである1)。This article dealt with the theoretical features of A.B.Moehlman who was one of the leading professors of educational administration in the United States at the time of 1930~50.This examination was mainly focussed open the analysis of his functional or organic point of view,principles of organization,and principles of operation in the text book“School Administration”which he has written in 1940.I found finally that his theory was conservative,and not progressive.
- 大阪教育大学の論文
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