養護学校(精神薄弱教育)教育課程の特性
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概要
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養護学校(精神薄弱教育)の教育課程編成において,現代,頼るにたる指針の無いのが実状である。それは養護学校へ通学してくる子どもたちの障害の様態が従来のそれと著しく変化していることに一つの帰因がある。そしてそれにみあった対応を一方で怠ってきたことも見逃せない。本稿においては,教育課程の一般的要件の考察からはじめて,養護学校(精神薄弱教育)の教育課程の備えるべき要件への考察を試みたい。では,教育課程とはいかなるものであろうか。教育課程とは教科書の内容の総体であろうか。学校の年間教育計画のことであろうか。あるいは子どもの発達の系の総和であろうか。指導の留意点を網羅されたものであろうか。これらのとらえ方は教育課程の一側面をいい表わしてはいるが,教育課程そのものではない。もちろん,万人が納得いくような一義的解釈を教育課程に対して明らかにすることはできない。また狭義に解釈する場合と広義に解釈する場合にはその特性もおのずと異ってくる。しかし,教育課程にとって欠くことのできない要因は,一方において教育課程を規定する教育目的であり,他方において教育課程の範囲(スコープ)と系統(シークエンス)である。達成されるべき教育目的に応じて教育課程は作成され,その範囲と系統を設定される。この意味において,教育課程は教育目的を達成するための内容をその範囲と系統で網羅した体系であると規定できる。教育課程をこのように意味づけた上で,養護学校(精神薄弱教育)の教育課程がこの規定とのかかわりにおいてどのような現実的対応を要請されるかを本稿において検討したい。Es ist bis heute unter sondererziehungswissenschaftlichem Aspekt nicht voll entschieden,wie die Curriculumentwurfe fur die geistigbehindertenschule bei Auswahl von Bereichen(scope)und Systemen(sequence)besteht.Weil Merkmale von Geistigbehinderungen weitgehend und verschiedenartig sind Kriterien der Auwsahl von Lerninhalten unklar.Es handelt in diesem Essay
- 大阪教育大学の論文
- 1984-09-30
著者
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