婦人科悪性腫瘍における新しい腫瘍マーカーCA 125の臨床的意義 : とくに卵巣悪性腫瘍診断における有用性について
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概要
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新しい卵巣癌関連抗原CA125の血清中濃度をモノクローナノレ抗体を用いたRadioimmunoassayにて測定し、卵巣悪性腫瘍の診断におげる有用性を検討した。対照とした健常女性(80例)の血清中CA125の平均値±標準偏差は14.2±12.2U/mlであった.各種患者血清中のCA125値は,子宮筋腫(30例)29.0±39.6U/ml,卵巣良性腫瘍(10例)26.7±30.1U/ml,子宮頚癌(14例)64.4±146.2U/ml,子宮体癌(6例)31.5±19.8U/mlであるのに対し、卵巣悪性腫瘍(23例)では311.3±250.4U/mlと高値であつた。またCA125の陽性率はcutoff値を65U/mlとした場合、健常女性1/80例(1.3%)、子宮筋腫3/30例(10.0%),卵巣良性腫瘍1/10例(10.0%),子宮頚癌2/14例(14.3%),子宮体癌1/6例(16.7%)に対し卵巣悪性腫瘍18/23例(78.3%)と高率で、とくに漿液性嚢胞腺癌では10/10例(100%)陽性であつた。また卵巣悪性腫瘍の進行期および組織型と血清中CA125値の関連をみると、症例数は少ないが、III期、IV期になるとCA125が高値になる傾向がみられ、治療後で再発をみない症鍵では正常域にとどまった。組織型では、漿液性嚢胞腺癌でCA125高値例が多くみられた。以上よりCA125は、これまでの腫瘍マーカーに比べ、かなり卵巣悪性腫瘍に特異性が高くfalse positiveが少ないことが判明し、その血中値測定は、とくに上皮性卵巣悪性腫瘍の診断に有意義であることが確認された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-11-01
著者
-
寺島 芳輝
東京慈恵会医科大学産婦人科
-
蜂屋 祥一
東京慈恵会医科大学産婦人科学教室
-
蜂屋 祥一
慈恵医大
-
安田 允
東京慈恵会医科大学
-
木村 英三
東京慈恵会医科大学産婦人科
-
中林 豊
東京慈恵会医科大学付属第三病院産婦人科
-
村江 正始
東京慈恵会医科大学産婦人科
-
中林 豊
東京慈恵会医科大学 産婦人科
-
古賀 良一
東京慈恵会医科大学第三病院産婦人科
-
遠武 孝育
東京慈恵会医科大学産科婦人科学教室
-
木村 英三
東京慈恵会医科大学 解剖学第2
-
小田原 靖
小田原ウイメンズクリニック
-
古賀 良一
慈恵医大
-
中田 裕信
東京慈恵会医科大学産科婦人科学教室
-
遠武 孝育
東京慈恵会医科大学 産婦人科
-
遠武 孝育
東京慈恵会医科大学 婦人科産科
-
中田 裕信
町田市民病院
-
中田 裕信
東京慈恵会医科大学 産婦人科
-
村江 正嫡
東京慈恵会医科大学産科婦人科学教室
-
横山 敬
茅ヶ崎市立病院
-
横山 敬
東京慈恵会医科大学 産婦人科
-
小田原 靖
東京慈恵会医科大学産婦人科
-
小田原 靖
東京慈恵会医科大学 産婦人科
-
木村 英三
佼成病院
-
小田 原靖
慈恵医大
-
蜂屋 祥一
東京慈恵会医科大学
-
寺島 芳輝
東京慈恵会医大
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