子宮腺癌の放射線抵抗性因子について

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概要子宮腺癌が扁平上皮癌に比較し放射線抵抗性である理由につき、ヒト子宮癌由来培養細胞株SKG-3a(頚部扁平上皮癌)とHEC-59(体部腺癌)とを用い、Spheroid及び単層培養の状態で放射線を照射し検討を行つた。 1)1回急性照射では単層培養状態の両細胞の生存率曲線に大きな差はなかつた。一方直径300μmのSpheroid状態での生存率曲線では、SKG-3a細胞で二相性、HEC-59細胞で一相性を示し、扁平上皮癌株てあるSKG-3a Spherold 中に低酸素因子が多いことが認められた。また両細胞とも生存率曲線の肩が大きくなつており、contact effectの効果てあることが示唆された。 2)これらSpheroidに均等分割照射(18Gy、24時間おき、週5回)を行つたところ、照射回数が増すにつれてSpheroldは縮小し崩壊し始め、60Gyの時点でSKGa Spheroid は全て消失したが、HEC-59Spheroldでは総線量68Gyの時点てなお残存を示した。また50%崩壊率総線量はHEC-59で48Gy、SKGaで40Gyであつた。 3)1回照射と5回均等分割照射の比較では、照射を分割する回数の増加に伴い、腺癌細胞の放射線抵抗性が増し、分割1回に伴う最大回復線量は、HEC-59で0 4Gy、SKGaで0。28Gyであつた。 4)PLD repalr能については、HEC-59がSKGa細胞より大きな能力を有していた。以上の結果から、固型腫瘍状態の放射線分割照射において腺癌細胞が放射線抵抗性を発揮するためには、細胎内の低酸素因子より、むしろPLD repalr やcontact effect 等の因子か重要な役割を果たしているものと解釈された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-09-01

子宮腺癌の放射線抵抗性因子について

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