諸種の人子宮頚癌ヌードマウス移植株の細胞動態解析特に組織型別の比較を中心に

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人子宮頚部扁平上皮癌の生物学的特徴として細胞動態を明らかにする目的で,ヌードマウス移植株を用いてその解析を行ない,組織型分類別に比較検討し以下の結論を得た.1.Autoradiographyの成績ではLI=23〜35.9%,Tc=15〜23時間,GF=42.2〜67.3%等で,概して小非癌が他の型の癌に比し高い値を示し,これらは諸家の生検材科の成績と一致した,2.FCMで細胞周期各期の細胞数頻度を求めた結果,G_1=49.4〜66.0%,S=24.8〜38.3%,G_2〜M=5.8〜17.7%であり,当然のことながらS期細胞数とLIとは極めて類似した成績が得られ,組織型別では1.と同様であった.3.AutoradiographyとFCMとの成績から非増殖相細胞の検討を行ない,G_1期に休止していると考えられるQ_1=26.7〜44.9%,G_2期に休止するQ_2=0.84〜10.5%となり,大部分はG_1期にあるが一部分はG_2期にも存在することが示唆された.又この事よりG_1期細胞群におげるQ_1細胞の占める割合は約50〜70%と意外に多く,組織型別では小非癌<大非癌<角化型癌の傾向を認めた.4.以上のことより子宮頚部扁平上皮癌における組織型と細胞動態とはある一面では関連性が強く示唆され,特に3.で述べた非増殖相細胞の出現傾向は,放射線照射並びに制癌剤投与による感受性と関連し,きわめて興味ある問題を提起することができた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-03-01

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