CDDP誘発消化器症状の治療(多剤併用療法)

概要

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CDDP投与時,吐気,嘔吐はほぼ全例に認められ dose limiting factorと考えられている.今回消化器症状軽減目的で単剤での制吐効果が認められている薬剤を中心とした多剤併用の効果を検討したので報告する.対象は卵巣癌化学療法施行症例で,化療はCDDP 50mg/m^2,adriamycin 30mg/m^2,cyclophosphamide 300mg/m^2,5FU350mg/m^2をDay 1に同時投与した.併用薬剤はmetoclopramide(1mg/kg)+dexamethasone(10mg/m^2);+droperidol(1mg/m^2)+diphenhydramine(20mg/body)で,2.5時間間隔で投毒した.(結果)多剤併用群では延べ23例中19例(82.6%)に全く嘔吐が認められず,また4回以上の嘔吐は1例も認められなかった.また,既往にCDDP併用療法を受け他の制吐方法で嘔吐を認めた7例中5例(71.4%)に全く嘔吐吐を認めなかった.(結論)CDDP誘発消化器症状は今回施行した多剤併用療法でほぼ完全にコントロールでき,本法はCDDP投与時有効な補助療法であることが示唆された.
1987-11-01