腹膜播種形成機序の実験的研究 : 走査電顕的観察を中心に

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概要卵巣悪性腫瘍は腹膜播種による転移形式を取るものが大多数で、その予後ぱ不良である。遊離腫瘍細胞が腹膜にどのように作用し、定着、増殖するかに関する腹膜播種の方式についてはほとんど研究されておらす、来た、数多くの不明な点が残されている。我判ち未分化胚細胞腫より樹立したJOHYL-1株を2×10^6個ヌードマウスの腹腔内に移植、人工的に腹膜播種を成立させ、経時的に腹膜播種の形態的変化を光頭、SEMを用いて観察し次の結果を得た。 1。腹腔内移植後5〜7日目より腹膜中皮細胞は膨隆し、各々の細胞境界が明瞭となる。中皮細胞の微絨毛はその数を増加し、網目状を呈し、一部に腫瘍の接着を認める。 2。移植10日目頃より中皮細胞のmtercelluer space が広くなるものと、中皮細胞の一部が脱落するものとを認め、それらの部分に腫瘍細胞の接着増殖を認める。 3。移植11日目以後より腫瘍細胞は増殖、浸潤を開始する。 4。腫瘍細胞の着床に関してぱ、中皮細胞上、中夜細胞間隙、及び中皮細胞の脱落の結合織上に浸潤して増殖する所見が得られた。以上の結果より、JOHYL・1腹水型の継代系はきわめて安定した発育を来し、腹膜播種性の実験系として有益なものであることが確認された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-10-01

腹膜播種形成機序の実験的研究 : 走査電顕的観察を中心に

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