子宮膣上部切断術後の頚癌(いわゆる断端癌) : 226例の臨床的検討
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概要
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1950年から1983年までの間に癌研婦人科で診断治療した断端癌226例について,臨床的検討を加え以下の結果を得た. 1) 対象の年齢分布は,32〜78歳で,50〜59歳が101例(44.7%)と最も多く,平均年齢は53.8歳であつた. 2) 腔上部切断術の施行年齢は,23〜64歳で,40〜49歳が105例(46.5%)と最も多く, 平均年齢は39.5歳であつた. 3) 腔上部切断術の理由は, 181例(80.1%)が子宮筋腫であり, ほかに良性卵巣腫瘍12例(5.3%), 子宮外妊娠10例(4.4%), 胞状奇胎6例(2.7%), 帝王切開5例(2.2%)などであつた. 4) 断端癌の自覚症状として,不正***出血が164例(72.6%)を占め, ほかに帯下30例(13.3%), 無症状のものも24例(10.6%)あつた. 5) 組織型は扁平上皮癌が208例(92.0%), 腺癌17例(7.5%), 腺扁平上皮癌1例(0.4%)で,同期間の一般の子宮頚癌とほぼ同様の比率であつた. 6) 進行期分類では, 0期 24例(10.6%), I期 51例(22.6%), II期 96例(42.5%), III期 50例(22.1%),VI期 5例(2.2%)であつた. 一般の子宮頚癌に比べ, 0期の頻度が少なかつた. 7) 5年生存率は, 0期 100%, I期 86.3%, II期 80.2%, III期 46.0%, IV期 0%で, 一般の子宮頚癌との間に, 0予後に有意差は認められなかつた. 8) リンパ節転移率は一般の子宮頚癌のそれとはぼ同率であつた. 9) 治療による合併症として, 手術によつて瘻孔形成したものが9例(9.3%), 放射線によつて瘻孔形成したものが3例(2.3%), 放射線性膀胱出血6例(4.7%), 放射線性直腸出血3例などで, いずれも一般の子宮頚癌のものより高率であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
-
平井 康夫
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
清水 敬生
癌研究会附属病院
-
浜田 哲郎
癌研究会附属病院婦人科
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院婦人科
-
山内 一弘
癌研究会附属病院婦人科
-
増淵 一正
癌研究会附属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
陳 瑞東
癌研究会附属病院婦人科
-
中山 一武
癌研究会附属病院婦人科
-
清水 敬生
国際医療福祉大学附属三田病院 女性腫瘍センター
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院
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