子宮体癌術後の再発に関する研究

概要

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1974年から1991年の期間に, 癌研究会附属病院婦人科において, 完全手術が施行可能であった子宮体癌576例 (旧FIGO臨床進行期分類: I期485例, II期62例, III期29例) を対象とし, 再発に関する危険因子, 再発部位, 再発の時期に検討を加えた。以下にその結果を示す。1. 576例中83例 (14.4%) に再発を認め, 旧FIGO分類での再発率はI期11.5%, II期22.6%, III期で44.8%であった。また, 新分類への対応が可能であった378例では, 全体で15.9%の再発率であり, Ia 期で全く再発を認めず, IIIc期の再発率は56.8%であった。2. 腺癌全体における再発率は13.0%であり, 分化度の低下に伴う再発率の上昇を認めた。また, 漿液性腺癌では, 6例中5例に再発を認めた。3. 筋層浸潤 (1/2以上), 腫瘍最大径 (3cm以上), 脈管侵襲, 頚管浸潤, 付属器転移, リンパ節転移の陽性症例で有意の再発率上昇を認め, 特に付属器転移, リンパ節転移症例での再発は高率であった。4. 再発症例の63.9%に遠隔再発を認め, 骨盤内再発は28.9%であった。また7.2%の症例に両方の再発を認めた。遠隔再発では, 肺, 腹腔内, 傍大動脈リンパ節が多く, 骨盤内再発では腟断端, 子宮傍組織への再発を多く認めた。5. 再発は手術後106日から5,518日の期間に認められた。最初の1年での再発は全再発症例の31.3%に認められ, 2年以内で60.2%, 5年以内で93.9%であった。また, 50%の症例が再発するまでに要した期間は561日であった。以上より, 付属器転移およびリンパ節転移症例, 頚管浸潤症例, G3腺癌, 漿液性腺癌症例の手術後の補助療法の確立が急務と考えられた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1994-03-01

子宮体癌術後の再発に関する研究

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