原発性卵管悪性腫瘍24例の臨床病理学的検討
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概要
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原発性卵管悪性腫瘍24例を対象とし, 臨床病理学的検討を行い以下の結果を得た. 1. 病理組織分類では, 腺癌23例 (高分化型11例, 中分化型6例, 低分化型6例), MMT (MUllerian mixed tumor) 1例であった. 2. Dodson分類に基づく臨床進行期では, I期11例, II期4例, III期8例, IV期1例であった. 3. 最も多く認められた症状は不正***出血で, 全体の62.5%の症例に認められた. また, 12.5%の症例で無症状であった. 4. 細胞診陽性率は, 膣子宮頚部細胞診で25.0%, 子宮内膜吸引細胞診では55.0%であった. 5. 直接法による全体での5年生存率は, 60.0%であった. I期及びII期症例における5年生存率は, 88.9%であり, III期及びN期の5年生存率は16.7%であった. 6. 完全手術が可能であった16例の再発率は25.0%であった. 腺癌組織分化度別再発率は, 高分化型で11.1%, 中分化型で0%, 低分化型では75.0%であった. 以上より, 卵管悪性腫瘍では, I期及びII期の早期症例では予後良好であると思われる. しかし, 低分化腺癌では再発率が高く, 術後の強力な化学療法が必要と考えられる. 早期発見が重要であるが, 診断では, 細胞診, 特に子宮内膜吸引細胞診が, 臨床進行期に関わらず一定の陽性率を示し, 臨床的有用性が高いと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-04-01
著者
-
平井 康夫
癌研究会附属病院
-
竹島 信宏
癌研究会附属病院
-
梅澤 聡
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
竹島 信宏
癌研有明病院婦人科
-
清水 敬生
癌研究会附属病院
-
梅沢 聡
癌研究会附属病院産婦人科
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院婦人科
-
山内 一弘
癌研究会附属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
山脇 孝晴
山田赤十字病院
-
山脇 孝晴
癌研究会附属病院婦人科
-
清水 敬生
国際医療福祉大学附属三田病院 女性腫瘍センター
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院
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