子宮頚癌所属リンパ節リンパ球の細胞表面抗原およびレンチナンによる修飾について
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概要
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子宮頚癌所属リンパ節の免疫能に対するレンチナンの増強効果について, 免疫組織化学的に検討した. 子宮頚癌(0期14例, Ib期19例), および良性腫瘍患者(子宮筋腫8例, 卵巣良性腫瘍6例)を対象として, レンチナンを手術前日に静注(0, 2, 4または6mg)した. 手術時採取した転移を認めない骨盤リンパ節を各種モノクローナル抗体を用いて酵素抗体(ABC)法で染色して検討し, 以下の結果を得た. (1) レンチナン非投与, 良性腫瘍患者の所属リンパ節(正常リンパ節): paracortical area(PC)にLeu 3a陽性細胞がLeu 2aより優位に認められた. Leu 4陽性細胞は, Leu 3aとLeu 2aの総和であると考えられた. HLA-DR陽性細胞はPCおよびsinusに中等度認められた. これらの所見はレンチナン投与により変化しなかった. Leu 7, 11, M3, IL-2 receptor (R) 陽性細胞はほとんど認められなかった. (2) レンチナン非投与, 子宮頚癌患者の所属リンパ節: Leu 7, 11, M3陽性細胞の出現がわずかに上昇した点以外は, 正常リンパ節とほぼ同様の結果であった. (3) レンチナン投与群の子宮頚癌所属リンパ節: IL-2RおよびLeu 3a陽性細胞の出現が著明に増強された. これに対し, Leu 2a, 7, 11, M3陽性細胞出現の増強は軽度であった. これらの免疫増強効果は0期よりもIb期頚癌において強く認められた. またこの免疫増強効果はレンチナンの1回投与量2mgで得られ, 投与量と効果との間にdose-response relationshipは認められなかった. 以上よりレンチナンは子宮頚癌所属リンパ節の免疫能, とくにhelper T細胞を中心とする免疫監視機構を増強する有用なBRMであることが示された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-01-01
著者
-
平井 康夫
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
清水 敬生
癌研究会附属病院
-
手島 英雄
癌研究会附属病院婦人科
-
浜田 哲郎
癌研究会附属病院婦人科
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院婦人科
-
山内 一弘
癌研究会附属病院婦人科
-
増淵 一正
癌研究会附属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
陳 瑞東
癌研究会附属病院婦人科
-
横須賀 薫
癌研究会附属病院婦人科
-
塩川 滋達
癌研究会附属病院婦人科
-
中山 一武
癌研究会附属病院婦人科
-
手島 英雄
癌研究会附属病院
-
清水 敬生
国際医療福祉大学附属三田病院 女性腫瘍センター
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院
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