卵巣摘出後1年以内における骨代謝と骨密度の経時的検討
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概要
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49歳以下で正常月経周期を有する臨床進行期Ib〜IIbの子宮頚癌患者19例 (卵巣摘出11例, 対照: 非摘出8例) を対象として, 卵巣摘出1年以内における経時的な骨変化を, 1. Dual photon absorptiometry法による腰椎と大腿骨頭の骨密度測定と, 2. 骨代謝パラメータ測定により検討した。1. 性ホルモンの変化: 対照群では術後12カ月間有意な変化はなかったが, 卵摘群では術後3カ月以降estradiolは有意に低下し, follicle stimulating hormoneは有意に上昇した (p<0.01)。2. 骨代謝パラメータの変化: 対照群ではalkaline phosphatase (Al-P) と尿中hydroxyproline/creatinine (HPO/Cr) が3カ月時で一過性に有意に上昇した (p<0.05)。一方卵摘群では術後よりAl-P (p<0.01), calcium/creatinine (Ca/Cr) (p<0.05), HPO/Cr (p<0.01) とも12カ月まで有意に増加した。両群間の比較では有意差があり (p<0.05), 卵摘例での骨回転の亢進が示唆された。3. 骨密度の変化: 腰椎骨密度は卵摘群では術後より直線的に有意に減少し (p<0.05), 減少率は12カ月で10.2%であった。対照群では手術の影響により6カ月まで減少したが, その後回復傾向を示した。大腿骨頭の骨密度の減少はやや遅延する傾向があった。以上より, 卵摘により骨密度は急速に減少するが, 手術自体でも術後早期には高骨代謝回転となり, 骨密度が減少すると考えられる。したがって, 骨密度の減少を抑制する方策の確立が急務と考えられた。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-10-01
著者
-
白木 正孝
成人病診療研究所
-
平井 康夫
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
増淵 一正
癌研究会附属病院婦人科
-
陳 瑞東
癌研究会付属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
陳 瑞東
癌研究会附属病院婦人科
-
清宮 由美子
癌研究会附属病院婦人科
-
清宮 由美子
癌研婦人科
-
清宮 由美子
癌研究会付属病院婦人科
-
青木 長寿
帝人株式会社
-
白木 正孝
東京都立老人医療センター研究検査科
-
青木 長寿
東京女子医科大学 産婦人科学教室
-
青木 長寿
アベンティスファーマ臨床研究センター
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