medical vagotomyのCDDP催吐に対する制吐効果 : 初回嘔吐発現までの時間による評価
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概要
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脳転移のない婦人***悪性腫瘍28例を対象として, CDDP 80mg/m^2を主剤とする多剤併用療法を施行し, その催吐作用に対する metoclopramide 1mg/kgと, medical vagotomy併用群 (MV群) における制吐効果について, metoclopramide単独群(M群)を対照として検討した. また, 新たな制吐判定基準として, 初回嘔吐発現までの時間(CV時間)について検討した. (1) MV群とM群を推計学的に比較したところ, (1) CDDP投与後24時間以内の平均嘔吐回数 (5.2±7.4 : 11.8±6.8), (2) 嘔吐回数0の症例数(6/15 :0/13), (3) 嘔吐回数4以下の有効例数(10/15 : 1/13)のすべての基準についてMV群の制吐効果はM群に比し, (1)(2)でp<0.05, (3)でp<0.01の有意差があつた. (2) 初回嘔吐までの時間(CV時間)は, M群で148±70分, MV群で805±563分と, medical vagotomy の併用により有意に延長した (p<0.01). (3) acetaminophen法によるmedical vagotomy後の胃排出能の検討により, (1) medical vagotomy 後の血中 acetaminophen濃度には, 個体差があること, (2) 血中acetaminophen濃度とmedical vagotomyの制吐効果とは相関すること, (3) 血中acetaminophen濃度の上昇例では, medical vagotomy の効果がほとんど認められないこと, が示唆された. 以上のことから, medical vagotomyはその効果発現には個人差があるものの, 副作用が少なく, 従来の制吐法との併用も可能であることから, 新たな有用な制吐法として期待が持てる. また, CV時間は嘔吐回数と同様に制吐効果の客観的判定基準として有用であることが明らかとなつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-09-01
著者
-
平井 康夫
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
清水 敬生
癌研究会附属病院
-
手島 英雄
癌研究会附属病院婦人科
-
片瀬 功芳
癌研究会附属病院
-
浜田 哲郎
癌研究会附属病院婦人科
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院婦人科
-
山内 一弘
癌研究会附属病院婦人科
-
増淵 一正
癌研究会附属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
陳 瑞東
癌研究会附属病院婦人科
-
中山 一武
癌研究会附属病院婦人科
-
八木 裕昭
癌研究会附属病院婦人科
-
手島 英雄
癌研究会附属病院
-
清水 敬生
国際医療福祉大学附属三田病院 女性腫瘍センター
-
八木 裕昭
富山医科薬科大学産婦人科
-
藤本 郁野
癌研究会附属病院
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