女性***癌由来培養細胞株のEGF受容体の発現状況並びに抗癌剤とEGF併用による抗腫瘍効果の増強作用について
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概要
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今回女性***癌由来培養細胞株における EGF-Rの発現状況の解析及び抗癌剤とEGF併用による抗腫瘍効果の増強作用について検討した. 1) 単細胞当たりの EGF-R数は SKG-3a 1.22×10^4, RMUG-s 6.94×10^4, HUOA 2.75×10^4, A-431 5.25×10^5, HEC-10.92×10^4であつた. いずれにおいても EGF-Rの発現が認められた. またRMUG-s, SKG-3aの解離定数 (Kd) はそれぞれ340pM, 477pMであり, EGF-RとEGFとの間には比較的高い親和性が認められた. 一方, HUOA, HEC-1のKdはそれぞれ989pM, 2,187pMであり, EGF-RとEGFとの間の親和性は低かつた. 2) EGF 0.01nM添加48時間後の SKG-3a, HEC-1, HUOA, RMUG-s各細胞株はcontrolに比較して増殖し, その増殖促進率はそれぞれ 8%, 18%, 21.1%及び3.7%であつた. 一方, A-431では 0.01nM の濃度より, HEC-1では 0.1nMより, RMUG-s, HUOA, SKG-3aでは 1.0nM以上のEGF添加により細胞増殖は抑制された. EGF1.0nM添加48時間後の細胞増殖抑制率は SKG-3aは32%, A-431は28%, HEC-1は25.8%, HUOAは11.2%, RMUG-sは6.8%であつた. 3) A-431を除いた各細胞株とも増殖を促進した 0.01nM濃度及び増殖を抑制した 1.0nM濃度の EGFとCDDPを同時添加した場合, いずれのEGF濃度においても細胞増殖抑制効果が増強された. 4) 卵巣癌由来培養細胞株であるRMUG-s, HUOAではCDDP 0.4μg/ml, 2.0μg/ml添加48時間後のEGF-R数はRMUG-sがそれぞれ1.71×10^4, 0.95×10^4であり, HUOAがそれぞれ0.52×10^4, 0.29×10^4であり, CDDPの濃度依存的にEGF-R数の減少を認めた. 一方子宮癌由来細胞株では一定の傾向を認められなかつた. 以上のことから in vitroにおいて婦人科領域の癌細胞にもEGF-Rの発現が十分に認められた. また EGFはCDDPの癌細胞増殖抑制作用を増強させる可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1992-01-01
著者
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