妊産婦血ならびに臍帯血におけるB群溶連菌の抗体量に関する研究
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概要
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EIA法によりB群溶連菌(GBS)のType Ia, Ib, Ic, II, III, Group Bの血中抗体量の測定法を確立し, またAGG (cell agglutination)による凝集時間からGBSのType Ib, II, Group Bの抗体量算出を可能にした. これを利用し総計214例の母児について妊婦血中ならびに新生児血中のGBS抗体量を測定し以下の成績を得た. 1)妊婦腔内のGBS carrierにおける抗体量の平均値とSDはEIAでは13.9±6.2μl, AGGでは4.77±1.69μlであつた. 妊婦腔内のGBS noncarrierにおいては抗体量はEIAでは10.6±4.7μl, AGG では3.64±2.10μlであつた. EIA, AGGともにGBS carrierにおける抗体量はnoncarrierに比べ有意に高かつた(t検定; p<0.01). 2) EIA法による臍帯血中抗体量は大部分の例において母体血中抗体量と同レベルであつた. 一方,AGGでの臍帯血中抗体量は母体血中に比べ低値を示すものが多く, これはIgM抗体の胎児血移行が無いためと考えられる. なお,臍帯動脈血と臍帯静脈血での差はみられなかつた. 3) EIA, AGGともに臍帯血中濃度が母体血中濃度に比べ明らかに低値を示したものが3例に認められ, そのうちの1例は高ビリルビン血症, 体重増加不良,肺炎を併発したDown症候群の児であり, 1例は1,768gの早産児であつた. EIA, AGGともに臍帯血中濃度が母体血中濃度より明らかに高値を示した例が1例あり, その例は4,074gの巨大児であつた. 4) EIAにおける各Type別抗体量測定結果のμl表示から偏差値Sを求めたが, GBS carrierにおいては検出菌型と同型のTypeが最高偏差値を示し, 検出菌型とType別抗体の一致をみた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
-
久保田 武美
順天堂大学浦安病院産婦人科
-
久保田 武美
順天堂大
-
久保田 武美
順天堂大学 医学部 産科婦人科学 教室
-
久保田 武美
順天堂大学 産婦人科
-
高田 道夫
順天堂大
-
高田 道夫
順天堂大学附属順天堂浦安病院産婦人科
-
高田 道夫
順天堂大学
-
高田 道夫
順天堂大学医学部産婦人科
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