妊婦頚管のChlamidia trachomatis感染における各種検索法の比較検討成績
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概要
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妊婦頚管のC. trachomatis感染では不顕性感染が多い. このような実態における各種検出法ならびに血清抗体価測定の意義を検討した. 1) cell culture method, Micro TrakおよびChlamydiazymeによる妊婦頚管の検出率は5.1%, 2.4%, 2.2%でありSTD外来患者の11.6%, 8.9%, 8.6%よりも低率である. 両群ともにcell culture methodの検出率が最も高い. 2) Micro Trak, Chlamydiazymeのcell culture methodとの一致率は妊婦で33.3%, 66.7%, STD 外来患者で69.2%, 76.9%であり, 妊婦での一致率は低率である. またMicro TrakよりもChlamydiazymeの方がcell culture methodとの一致率が良好である. 3) 妊婦, STD外来患者におけるMFA法によるC. trachomatis抗体保有率は, それぞれ17.7%, 44.8%である. 4) 抗体陽性例における培養陽性率は妊婦14.3%, STD外来患者25.0%, 抗体陰性例における培養陽性率はそれぞれ5.7%, 10.0%である. 5) 培養陽性例における抗体陽性率は妊婦45.4%, STD外来患者57.1%, 培養陰性例における抗体陽性率は妊婦15.7%, STD外来患者44.4%である. 6) PID患者における抗体陽性率は70.0%, C. trachomatisが証明されたPID, 患者の抗体陽性率は84.6%であり, IgG, IgMともに高値を示すものが多い. 以上の成績から妊婦頚管のC. trachomatis感染の疫学的検索における各種検索法の相互関連が明らかにされ, 不顕性感染の多い妊婦頚管では顕症例の場合と異なり, Micro Trak, Chlamydiazymeはcell culture methodよりつねに検出率が低いということを念頭に置かなければならないこと, 血清抗体価により検索対象をしばることは困難であることを知りえた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-02-01
著者
-
久保田 武美
順天堂大学浦安病院産婦人科
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久保田 武美
順天堂大
-
久保田 武美
順天堂大学 医学部 産科婦人科学 教室
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久保田 武美
順天堂大学 産婦人科
-
高田 道夫
順天堂大
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高田 道夫
順天堂大学附属順天堂浦安病院産婦人科
-
高田 道夫
順天堂大学
-
高田 道夫
順天堂大学医学部産婦人科
-
石川 克美
順天堂大学浦安病院産婦人科
-
石川 克美
亀田総合病院産婦人科
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