子宮体癌の超音波断層診断の意義についての検討

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概要 1976年以降に、徳島大学医学部附属病院産婦人科で手術療法をうけた子宮体癌34症例(FIG0分類1期18名、2期10名、3期1名、4期4名、1名は子宮筋腫の術前診断`)に対し、術前に超音波断層検査を実施した。その所見を、組織学的所見と比較検討し、現在診断が困難な筋層浸潤の推定と子宮頚管浸潤の診断について、超音波断層検査の意義を検討し、次の結論を得た。 (1)子宮体癌症例の超音波断層像は五つのtype(anechoic、4名-12%、hnear、3名-9%、cystlc 、4名-12%、small mass、 14名-41%、large mass ; 9 名一26%)に分類できたが、頚管浸潤例や子宮傍組織浸潤、骨盤リンパ節転移のある進行癌症例では、その87%がmasstypeであり、他の三つのtypeは1期あるいは2期癌のみであつた。また3期、4期癌症例はすべてmass type であつた。 (2)超音波断層法で推定しえた筋層浸潤の程度は術後組織診で確認した筋層浸潤の程度とよく相関(r=0 65)し、筋層浸潤の推定に有用と考えられた。 (3)腫瘍エコーが大きくなるにつれて、筋層浸潤が進む傾向にあり、腫瘤敢蛯髀c断面での最大径(a)mmとその直交軸最大径(b)mmの積(s=axb)が、1、000以下のものでは残存健常筋層が3mm以下のものが5%(1/20)に過ぎなかつたのに対し、1、000を超えるものでは57%(4/7)に連した。 (4)超音波断層法て腫瘤エコーが連続的に内子宮口まで連しているものを子宮頚管浸潤陽性像、連していないものを陰性像としたとき、その正診率は陽性像で86%(6/7)、陰性像で66%(12/18)てあつたが、誤診断例はコンパウンドスキャンによるものが多く、頚管の同定が容易な電子スキャンを用いれば、その成績はより向上するものと考えられ、超音波断層検査は頚管浸潤の有無の判定に有用と考えられた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-11-01

子宮体癌の超音波断層診断の意義についての検討

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