子宮体癌症例の臨床的検討
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概要
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昭和48年1月から昭和60年12月までの間に大阪府立成人病センター婦人科で診断治療した子宮体癌152例について臨床的検討を加え, 以下の結果を得た. 1) 対象の年齢分布は, 55〜59歳が40例 (26.3%)と最も多く, 50〜54歳が33例 (21.7%)で合計すると50歳代が約半数を占め, 平均年齢ほ55.89歳であつた. 2) 妊娠分娩歴では未妊婦 (23.7%)と未産婦 (27.6%)の占める頻度が高かつた. 平均妊娠回数は2.81回, 平均分娩回数は1.77回であつた. 3) 閉経後症例は110例 (72.4%)を占め, 平均閉経年齢は49.1歳であつた. 4) 主訴では不正出血が最も多く128例 (84.2%)にみられた. 5) 頚部細胞診では陽性50.7%, 疑陽性16.9%, 体部細胞診は陽性63%, 疑陽性21.9%であつた. 頚部, 体部両細胞診が共に陰性であつたのは8/58 (13.8%)であつた. 6) TNM分類では, T_<1a>88例 (57.9%), T_<1b>36例 (23.7%), T_212例 (7.9%), T_33例 (2%), T_41例 (0.7%)であつた. またpT_<1a>86例(56.6%), pT_<1b>30例 (19.7%), pT_219例 (12.5%), pT_310例 (6.6%), pT_45例 (3.3%)であつた. 7) 組織検査では92.1%がadenocarcinomaで, 分化度ではG_157.9%, G_225.7%, G_38.6%であつた. 8) 臨床期別累積生存率をKaplan-Meier法で求めるとpT_<1a>では95.0%, pT_<1b>では75.6%, pT_2は67.3%, pT_3は42.2%, pT_4は0%の生存率であつた. またI期症例について組織分化度別にみるとG_1は高い生存率であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-06-01
著者
-
奥平 吉雄
大阪大学微生物病研究所附属病院婦人科
-
奥平 吉雄
大阪大
-
奥平 吉雄
大阪大学微生物病研究所
-
本郷 二郎
大阪府立成人病センター婦人科
-
広田 義和
大阪府立成人病センター婦人科
-
稲垣 実
大阪府立成人病センター婦人科
-
澤田 益臣
大阪府立成人病センター
-
尾崎 公巳
大阪府立成人病センター婦人科
-
澤田 益臣
大阪大
-
沢田 益臣
大阪大学微生物病研究所
-
尾崎 公巳
大阪府立成人病センター
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