女性***癌患者血清中のImmunosuppressive acidic proteinについて

概要

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各種女性***癌患者血清中のImmmosuppressive acidic protein(IAP)をIAPプレートを用いて一元免疫拡散法により測定した.癌患者は子宮頚癌33例,子宮体癌6例,卵巣癌33例で,比較のため子宮筋腫53例,卵巣良性腫瘍44例,健常婦人79例について検討した.対照とした健常婦人の血清中IAP値は,298±92μg/mlであり483μg/ml以上をIAP陽性と定めた.患者血清IAPの平均値±標準偏差(μg/ml)は子宮頚癌506±236,子宮体癌563±159,卵巣癌1,051±466,子宮筋腫375±72,卵巣良性腫瘍375±92でいずれも対照に比し高値であった.IAPの陽性率は,子宮頚癌34%(0期10%,I期10%,II期以上63%,再発例100%),子宮体癌83%(I期),卵巣癌94%(I期100%,II期以上92%,再発例100%),子宮筋腫11%,卵巣良性腫瘍7%であった.IAP値と癌の進行期,組織型との間に明らかな相関はみられなかった.治療開始後のIAP値の推移は臨床経過を反映しfollow-upのマーカーとして用いうると考えられた.以上の結果より女性***癌患者血清中のIAPを測定することは癌の診断治療に意義があると考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1983-05-01