ヒトインターフェロンの抗腫瘍効果 : ヌードマウス移植系を用いた検討
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概要
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ヌードマウスに移植継代したヒト腫瘍を用いヒトインターフェロンの抗腫瘍効果を検討した.腫瘍はBALB/Cヌードマウスに移植継代した卵巣胎児性癖(YST-1,YST-2)及びICRヌードマウスに移植継代した子宮内膜癌(AD-19)を用いた.インターフェロンはヒトリンパ芽球様細胞由来インターフェロン(IFN)を用い、生理的食塩水0.2mlに溶解し担癌マウス腹腔内に投与した.IFNの投与スケジュールは(1)1.0×10^5u/kg/day×21days(YST-1)(2)1.0×10^6u/kg/day×21days(YST-1)(3)1.0×10^6u/kg/week×3weeks(YST-1)(4)1.0×10^6u/kg/day×8days(YST-2)(5)1.0×10^6u/kg/day×28days(AD-19)を設定した.効果判定のために,任意の時点におけるIFN投与群と対照群との体積比(T/C体積)及び実験終了時摘出腫瘍のIFN投与群と対照群との重量比(T/C重量)を求め,T/C体積は(1)71.1(2)45.5(3)51.8(4)73.4(5)30.2T/C重量は(1)68.1(2)36.0(3)82.5(4)90.1(5)44.8であった.この結果YST-1は,1.0x10^6u/kg/day21日間のIFN投与により,又AD-19は,1.0×10^6u/kg/day28日間のIFN投与により増殖が抑制されると考えられた.卵巣胎児性癖の腫瘍マーカーである担癌マウス血清α-fetoproteinと腫瘍体積との相関係数は0.51(YST-1),0.42(YST-2)でややばらつきがみられた.摘出腫瘍の組織学的検索ではIFN投与によると思われる特徴的な所見は認められなかった.IFN投与前後の担癌マウス重量の変化は,IFN投与群及び対照群の間に差は認められなかった.今回のヌードマウス移植腫瘍を用いた実験結果は,IFNの大量長期間投与,早期からの投与がより効果的であることを示唆した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-09-01
著者
-
奥平 吉雄
大阪大学微生物病研究所附属病院婦人科
-
松井 義明
大阪大学微生物病研究所附属病院婦人科
-
松井 義明
大阪大微研
-
奥平 吉雄
大阪大学微生物病研究所
-
澤田 益臣
大阪大学微生物病研究所婦人科
-
澤田 益臣
大阪大
-
沢田 益臣
大阪大学微生物病研究所
-
川島 実
大阪血清微生物研究所
-
岩永 圭市
大阪血清微生物研究所
-
押鐘 美世子
大阪大学微生物病研究所臨床研究都婦人科
-
松井 義明
大阪大学微生物病研究所
-
押鐘 美世子
大阪大徴研
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