子宮頸部腺癌完全手術後の再発危険因子と再発形式の検討

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子宮頸部腺癌完全手術後の再発危険因子および, 再発危険群に対するadjuvant therapyのあり方について検討した. 当院で治療した子宮頸部腺癌Ib期からII期のうち, 初回治療として完全手術を施行できた46例を対象とした. Ib期が33例, IIb期が13例で, 平均年齢は47歳であった. 5生率はKaplan-Meier法で91%であった. 7例が再発し, 骨盤内再発は2例, 遠隔転移は5例であった. ともに6力月以内の再発はなく, 7力月から36力月までの再発が85.7%(6/7)であった. 統計学的に有意であった再発危険因子は, 1)骨盤リンパ節転移陽性, 2)子宮体部浸潤, 3)腫瘍の長軸径が21mm以上, 4)子宮頸部浸潤深達度1/2以上, 5)脈管侵襲であった. 統計学的に有意でなかった因子は, 臨床進行期, 卵巣転移, 腹腔内洗浄細胞診陽性, 年齢40歳以下, 癌の分化度であった. 再発した7例はいずれも, 再発危険因子5項目のうち3項目以上有していた. 再発した7例のうち, 5例で骨盤リンパ節転移があり, 術後照射を受けている. この5例は全例遠隔転移していた. 骨盤リンパ節転移がなく, 術後照射を受けていない2例は, 骨盤内再発している. この事実は, 骨盤リンパ節転移陽性例では骨盤のみに対する術後照射は適応でないことを示している. 再発危険因子を有する症例には, 全身的なadjuvant therapyが必要であると考えられる. 現在, 当院では完全手術後のadjuvant therapyとしてCAP療法を施行している. 今後, 完全手術後の再発危険因子を有する例に対するadjuvant therapyとして, CAP療法等の全身化学療法を考慮すべきである.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1997-05-01

子宮頸部腺癌完全手術後の再発危険因子と再発形式の検討

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