妊婦水泳における胎児の安全性の検討
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概要
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妊婦水泳における胎児の安全性を検討するために, 妊娠35〜38週の正常妊婦17名を被験者として, 妊婦水泳教室の水泳実習中に胎児心拍数のトレンドモニターを行い, 以下の結果を得た. 1. 全教習課程は1時間であるが, 実際に妊婦が水泳を行つているのは33〜41分間であり, この間に泳いだ距離は375〜750メートルであつた. 2. 母体水泳中は体動に伴う雑音が胎児心拍信号に混ずるため, 胎児心拍が測定可能であつたのは17名中11名であつた. 3. 母体水泳中の平均胎児心拍数は, 水泳前安静時に比べ11名中8名で有意に増加していた. 4. 水泳中の胎児心拍パターンはreactiveであり, variabilityも保たれていた. 病的な徐脈は認められなかつた. 以上より, 正常妊娠であれば, 現在日本で行われている妊婦水泳教室の教習内容は胎児にとり安全であることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1993-02-01
著者
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佐々木 純一
日本臨床スポーツ医学会
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佐々木 純一
筑波大学臨床医学系産婦人科学
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目崎 登
筑波大学臨床医学系
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稲葉 淳一
国立国際医療センター
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鍋島 雄一
筑波大学臨床医学系産科婦人科
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稲葉 淳一
筑波大学臨床医学系産婦人科
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鍋島 雄一
白十字病院
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