超音波断層法による婦人***悪性腫瘍の傍大動脈リンパ節転移の画像診断 : CTとの比較

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51例の婦人***悪性腫傷患者を対象として, 超音波断層法による傍大動脈リンパ節転移の画像診断について検討した。(1) 傍大動脈リンパ節が15 mm以上のものを画像診断上転移陽性としたところ, 51例中11例が転移陽性と診断された。(2) 癌の種類では, 卵巣癌6例 (serous 5例, clear cell 1例), 子宮頚部扁平上皮癌5例 (squamous cell carcinoma, large cell nonkeratinizing 5例) であった。(3) 転移部位別では, 腎静脈より尾側に転移巣があったもの8例, このうち頭側へも転移巣があったもの3例であった。(4) 転移陽性の超音波像は辺縁が明瞭であり, 内部エコーは著しく低エコー像であったものと, 低エコーであるが均等なエコーのあるものがあった。(5) 超音波断層法とCTとの診断の一致性を検討したところ, 超音波断層法で陽性と診断した11例はCTでも全例陽性, 超音波断層法で陰性とした40例はCTで全例陰性であり, 一致率は100%であった。(6) 血中CA 125値が高値で, 画像診断上傍大動脈リンパ節のみに転移が証明された, 2例の卵巣癌症例において, 経時的に超音波断層法にて同リンパ節の大きさを測定したところ, 2例ともCA 125値の推移と同リンパ節の大きさの変化が一致した。以上より, 超音波断層法は客観性, 再現性でCTと匹敵する診断法であり, 簡便性, 反復検査の容易な点, 画像診断による傍大動脈リンパ節の転移の診断には本法が優っていると考えられた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1989-01-01

超音波断層法による婦人***悪性腫瘍の傍大動脈リンパ節転移の画像診断 : CTとの比較

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