市販鶏肉から分離されるサルモネラ菌の薬剤耐性とR因子の出現頻度
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概要
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From April 1972 to March 1975, Salmonellae were isolated from samples of retailed chickens, and their drug resistance and distribution of R factors were investigated. In 83 samples (49.4%), 16 various Salmonella serotypes were discovered and S. typhimurium, S.enteritidis and S. thompson were most frequently isolated. Of the total 83 isolates, 40 (48.2%) were resistant to one or more drugs tested. None of the Salmonella isolates were resistant to chloramphenicol or nalidixic acid and few isolates were resistant to kanamycin. Resistance to sulfanilamide was most common among the resistant isolates, followed by resistance to streptomycin, ampicillin or tetracyclin, in a decreasing order. R factors transmissible to a recipient strain of Escherichia coli ML 1410 (F-, met-, NA r) were demonstrated in 40.0% of the resistant isolates. The findings of this and other similar studies warrant strict control of the indiscriminate use of drugs such as antibiotics.1972年4月から1975年3月にかけて, 市販鶏肉試料からサルモネラ菌の分離を行ない, それらの菌の薬剤耐性とR因子の分布状況を検討した. 試料83点(49.4%)から16の異なる血清型に属するサルモネラ菌が分離され, そのうちS. typhimurium, S. enteritidis, S. thompsonが最も廔々見出される菌株であった. 分離83菌株のうち, 40菌株(48.2%)が供試薬剤の一つまたはそれ以上に耐性であった. クロランフェニコールまたはナリジキシ酸に耐性のものは全くなく, カナマイシンに耐性のものも僅かであった. 耐性菌株のうちスルファニールアミド耐性のものは最も多く, 次いでストレプトマイシン耐性, アンピシリン耐性, テトラサイクリン耐性の順であった. 受容菌としてEscherichia coli ML1410 (F-, met-, NA r)を用いた耐性伝達試験では, 耐性サルモネラ菌の40.0%にR因子をもつことが示された. これらの結果ならびに同種研究等から抗生物質を始めとする薬剤の無秩序な使用は厳格に規制される必要がある.
- 1978-09-30
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