トマト 4 品種の生育, 収量および生理生態的特性に及ぼす水ストレスの影響

概要

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トマトの収量, 収量構成要素, 栄養生長および生理生態的特性に及ぼす水ストレスの影響を調査した.耐乾性の大きいTM0126(TM)とVF-134-1-2(VF)および耐乾性の小さい旭光(KK)とRatan(RT)の4品種を供試した.収量, 収量構成要素および乾物生産は断水処理によって与えた水ストレスにより低下したが, 耐乾性品種では低下の程度がより小さかった.光合成速度(Pr), 蒸散速度(Tr), 葉の水ポテンシャル(Ψ_w)および水利用効率(WUE)も水ストレスにより低下した.葉温(Tl)ならびに気孔抵抗(r_s)は水ストレスにより上昇した.以上の水ストレスに対する生理生態的特性の反応のうち, Pr, Tr, Ψ_wおよびWUEの水ストレスによる低下は耐乾性品種の方が小さかったが, 水ストレスによるTlならびにr_sの上昇は耐乾性品種の方が大きかった.また, 再灌水後これらの生理生態的特性はすみやかに回復へ向かったが, 耐乾性品種の方が回復が早く, 回復の程度も大きかった.耐乾性品種において水ストレスによる生育・収量の低下が小さかったのは, 水ストレス下で比較的良好な水分状態を維持し, 光合成の低下を抑え, 再灌水後に速やかに生育を回復させる能力をもっているためと考えられる.
1999-05-15