カンショ種子播栽培用品種の育種に関する研究 : I 露地開花性集団における開花結実性と種子播適性について
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概要
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カンショ作を省力化するために,真性種子を直接播種するいわゆる種子播栽培に適した品種の育成が期待されている。本研究では自然条件下でも開花結実する露地開花性系統を利用した種子播用合成品種の育種法を検討するために,筆者らの保有している露地開花性系統を基本集団として次のような方法で試験を行なった。すなわち試験Iでは支柱栽培での開花結実性と挿苗栽培での収量性を調査し,試験IIでは試験Iで自然交雑した集団について採種粒数の多い系統の種子播栽培における収量性を調査し,切干歩合の高い多収な母本系統を選抜するとともに次世代を作成するために選抜母本系統の実生集団から個体選抜を行なった。その結果露地開花性集団における開花まで同数・開花数・採種粒数だと開花結実性についての変異は大きく,それらと挿苗での株当り総いも重や切干歩合などの実用形質とは相関が認められなかったため,実用形質のすぐれた露地開花性系統の養成は可能であろうと考えられた。開花習性については4つの型に分類できたが,ほとんどの系統は7月下旬〜8月上旬に咲き始め,開花数は8月中旬〜9月上旬に最高に達し,以後減少する型に属した。
- 日本育種学会の論文
- 1980-06-01
著者
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