カンショの露地開花性集団における種子播適性に対する選抜反応
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概要
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カンショの種子播用品種を育成するため,露地開花性系統の自然交配集団を用いて,種子播適性に関する循環選抜反応を見た.支柱栽培において採種粒数の多かった露地開花性系統から得た多交配種子をC0(Cはサイクルの略)として,家系別に種子播栽培した.ついで種子播適性として重要な形質であるアール当たり総いも重と切干歩合により家系選抜し,さらに選抜家系内で種子根の特性による個体選抜を行い,次世代の母本栄養系集団とした.このようた循環選抜を2回繰返した結果,サイクルが進むにつれて結実性の集団平均は増加する傾向を示した.アール当たり総いも重の集団平均はC1で低下したがC2で増加し,C0を上まわる153.8kg/a(サイクル当たり18.2kgの増)に達した.切干歩合はサイクルが進むにつれて減少し,C2の集団平均は31,7%(サイクル当たり1.1%の減)になった.また母本栄養系集団の挿苗栽培におけるアール当たり総いも重は,サイクルが進むにつれて増加したが,切干歩合は減少Lた.種子播適性に係わる形質の集団内の遺伝的変異性については,発芽歩合以外のすべての形質でC0よりC2のほうが小さくたったが,依然として遺伝分散は有意に大きかった.以上の結果から,本研究で用いた修正一穂一列法による循環選抜は,カンショの種子播栽培の収量性については集団内に充分在ヘテロ性を維持しつつ平均値を高めていくのに効果的であるが,切干歩合についてはより強度の家系選抜を行うか,あるいは選抜家系内の個体選抜の段階における選抜法を改善する必要があるものと結論された.
- 日本育種学会の論文
- 1987-03-01
著者
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