1997年インドモンスーンに対するエルニーニョの影響
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概要
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年々変動の観点から1997年インドモンスーンについて調べた。史上最大級と言われた1997/98エルニーニョは夏季モンスーンの大規模循環場を強く抑制していたことがわかった。しかし一方では、モンスーン降水量は顕著に減少せず、むしろ平年値より少し多めになっていた。 循環場及び降水データを調べたところ、モンスーンシステムの季節内変動がインドに平年より多めの降水量をもたらしたことがわかった。更に、1997エルニーニョは、アジアモンスーンの大規模循環場を抑制するだけでなく、アフリカ大陸のソマリア東沖において海面水温と大気下層の状態を変化させ、対流不安定域を形成するのに貢献していた。この領域において、対流活動が繰返しトリガーされ、増幅し、東へ伝搬しながらインド亜大陸に侵入していた。 1958∼98年の41年間のNCEP/NCAR再解析データを用いた水蒸気収支解析によると、1997年夏には時間変動成分による水蒸気輸送偏差が循環の定常成分によるものより大きく、前者がインドの夏降水量偏差に貢献していたことが確認された。この41年間のデータによると、インドモンスーンの循環偏差と降水偏差の間に全般によい相関関係があり、1997年夏インドモンスーンはむしろ特殊な事例に属する。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-10-25
著者
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