TOGA-COARE集中観測期間中の上部海洋混合層の発展と維持に関する様々のレヴェルのクロージャーモデルの比較について
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概要
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1992年11月から1993年2月にかけて赤道西太平洋域で行われたTOGA-COARE集中観測に参加した東京大学海洋研究所の白鳳丸の観測データを用いて、海洋大循環モデルに用いられる海洋上部の混合に関するパラメタリゼーションスキームの差異が調べられた。この航海に於て、乱流エネルギー散逸率(ε)と混合層の構造の観測が表面フラックスと共に、東経156度の赤道上で、1992年11月12日から26日にかけて行われた。1次元のMeller-Yamadaのレヴェル2、2.5、3、4のclosure modelを用いて混合層の時間変化をsimulateし、白鳳丸での観測と比較した。特に、乱流エネルギー散逸率に焦点が置かれた。なぜなら、この航海で観測された乱流過程に関係する量だからである。一般的に、4つのモデルの結果は互いに良くにており、観測と比較すると、混合が弱かった。特に、表面の風が弱いときに、差異が顕著になった。1次元モデルに関する限り、モデルのレヴェルの差は少ないと結論できる。鉛直の分解能に対する結果の依存性も調べられた。混合層上部の一般的な特徴は高分解能(格子間隔1m)と普通の分解能(格子間隔20m)では差異がなかった。もっとも、海面水温の日変化は20mの格子間隔では再現できなかった。混合層の時間変化を観測されたεから推定された渦拡散係数を用いたレヴェル2のモデルで計算した。結果は、観測される混合層の昇温の7割程度を説明するものであった。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-06-15
著者
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