東アジアモンスーンに対するエルニーニョの影響 : '86/87, '91/92イベントについての診断的研究
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概要
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1986/87年及び1991/92年に起きたエルニーニョ期間中の東アジアモンスーン循環場を解析した. これら2つのエルニーニョの成熟期には東アジア東岸に沿って対流圏下層に南風偏差が現れた. '86/87年のケースでは成熟期は北半球の夏にあたり, 東アジアの夏のモンスーンは強化された. 一方, '91/92年のケースでは成熟期は冬に起こり, モンスーンは弱まっていた. 偏差場を調べると, エルニーニョは赤道西太平洋の対流活動の変化させることによって東アジアモンスーンに対して影響を与えていることが示唆される. この領域の対流活動は赤道太平洋の海面水温変動に強く影響され, エルニーニョ成熟期には活動が著しく抑制される. この対流活動の変化に伴う循環偏差が熱帯西太平洋から東アジアにかけてのモンスーン直接循環に影響を及ぼしているしていると考えられる. 東アジアモンスーンとエルニーニョ成熟期の関係は'86/87年以前の6イベントを含むより長期間の850hPa風データセットでも確認された. ラニーニャ期に逆の関係は確認されなかった.
- 1996-02-25
著者
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