CO_2による気候変化に対する熱帯での積雲対流の効果
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概要
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CO_2による気候変化における、水蒸気の鉛直プロファイルに対する積雲対流の効果について調べた。Arakawa-Schubertの積雲パラメタリゼーションを用いた一次元放射対流平衡モデルを、積雲対流の最も活発な赤道域の年平均太陽放射を与えて用いた。熱帯の水蒸気・熱バランスにおいては、大規模場による熱帯-亜熱帯間の水蒸気と熱の輸送が重要であるので、それを考慮したものと考慮していないものの2種類のCO_2倍増実験を行った。大規模場の輸送を考慮しない場合は対流圏中層以上の水蒸気の増加がほとんどなく、CO_2による地表温度の上昇は3次元モデルによるCO_2実験の結果よりも小さくなった。しかし、大規模場の輸送を考慮すると絶対湿度は対流圏全層で増加し、地表温度の上昇は3次元モデルによるCO_2実験と同程度となった。大規模場の熱輸送はコントロールでの積雲の活発化に寄与しており、水蒸気輸送はCO_2増加時の積雲による水蒸気の鉛直輸送の感度を増大させていると見られる。これらの結果から、放射強制力の変化による積雲対流の応答は大規模場の輸送に非常に敏感であることが示された。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1997-06-25
著者
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