ガドベン酸ジメグルミン製剤(E7155)の一般毒性試験 (第2報) : イヌにおける静脈内投与による単回投与毒性試験
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概要
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ガドベン酸ジメグルミン製剤(E7155)を4∼5ヵ月齢のビーグル犬に2または6mmol/kgの投与量で単回静脈内投与し,14日間観察してその影響を評価した。 一般状態としては,6mmol/kgの雌雄で嘔吐,歯肉および耳介の紅潮が認められた。6mmol/kgの雄は一般状態が悪化し,自発運動の低下と歯肉の蒼白が認められ,心拍が弱かったため,投与約23時間後に安楽死させた。体重は,6mmol/kgで減少が認められ,2mmol/kgにおいてもわずかな減少が認められた。摂餌量の減少は2および6mmol/kgで認められた。血液学的検査では,6mmol/kgの切迫屠殺した雄において白血球数,ヘマトクリット値,ヘモグロビン量および赤血球数の増加,血小板数の減少が認められた。生化学的検査においては2および6mmol/kgでアルカリホスファターゼ,GPTおよびGOTの上昇,6mmol/kgの雌雄でビリルビン,カルシウムおよび尿素の増加とグルコースの減少が認められた。6mmol/kgの雌においてはさらに総タンパク量の減少が認められた。尿検査においては,2mmol/kg以上でpH上昇,6mmol/kgの雌で尿量増加,比重および浸透圧の低下が認められた。臓器重量では,6mmol/kgの雌雄において肝臓および腎臓の相対重量増加が認められた。剖検所見では6mmol/kgの切迫屠殺した雄において肝臓の退色,辺縁鈍および小葉構造明瞭と消化管粘膜表面に黒色物を認められた。病理組織学的検査においては,6mmol/kgの雄においては,肝臓に肝細胞の単細胞壊死,小胆管の過形成初期像,類洞と門脈の炎症性細胞,小葉中心性の炎症性細胞,肝細胞のび漫性空胞化および類洞拡張,および腎臓の皮質尿細管上皮の空胞化が認められた。6mmol/kgの雌では肝臓に小胆管の過形成,門脈の炎症性細胞,肝細胞のび漫性空胞化および類洞拡張,および腎臓の皮質尿細管の好塩基性化の程度の増強,拡張および円柱が認められた。 上記の結果に基づいて,E7155の概略の致死量を6mmol/kgとした。また,2mmol/kgを単回投与し,その後14日間観察したビーグル犬は耐容性を示した。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1999-11-15
著者
-
佐神 文郎
エーザイ株式会社 プロダクトクリエーション サイトサービス部 企画推進部
-
TIRONE Piero
Research Laboratories of Bracco S.p.A.
-
MORISETTI Alberto
Research Laboratories of Bracco S.p.A.
-
BUSSI Simona
Research Laboratories of Bracco S.p.A.
-
Bussi Simona
Research Laboratories Of Bracco S. P. A.
-
Tirone Piero
Milano Research Centre
-
MASTERS Robert
Huntingdon Life Sciences Ltd.
-
関戸 徹
エーザイ株式会社開発安全性研究部
-
BUSSF Simona
Research Laboratories of Bracco S.p.A.
-
佐神 文郎
エーザイ株式会杜筑波研究所
-
佐神 文郎
エーザイ株式会社開発安全性研究部
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