異る土壌水分条件で生育したトウモロコシの節間柔組織の水分量

概要

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室内に配置した1/2000aワグネルポットと, 水耕用スレート枠を用い, 土壌水分を異にしてトウモロコシを栽培し, 節間柔組織の水分量を調査して次の結果を得た.1)10, 13, 16, 19葉期, 登熟期と, 生育が進むにつれて節間柔組織の水欠差は増大した.節位別によると上位から下位まで一定の数値ではなく, 大小があってカーブは蛇行していた.2) これを含水率で比較すると, 水欠差と同様に生育の進むほど数値は小さくなった.同一時期では下位の節間で高く, 上位の節間で低くなっていて, 登熟期に急速に減少した.3) 土壌水分が少ない状態で生育したトウモロコシは水分が豊富な土壌で生育したトウモロコシに比較して, 水欠差は小さく比較的に水分を消失しにくい様に考えられた.4) 少ない土壌水分状態で生育したトウモロコシは水分が豊富な状態で生育したトウモロコシに比し, 節間柔組織の含水率に差異が認められないのに, 水欠差から導かれた水分飽和度から算出された水分量は少ないことが明らかとなった.
日本作物学会の論文
1985-05-30