グレインソルガムの生産性に関する研究 : 第5報窒素の施用量と水分ストレスが穀実収量および窒素吸収と軽流に及ぼす影響

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グレインソルガムの高い穀実収量やたんぱく収量をあげるのに必要な窒素施用の適量を明らかにするため,また短期間の土壌乾燥による土壌中の高窒素濃度が生育,穀実およびたんぱく収量の増加に影響するかどうかを明らかにするため, H-726を用い,ことなる窒素施用量と水分ストレスを組み合わせ,窒素の吸収と転流について調査した. 実験は1978年名大農学部附属農場でポットにより行った. 得られた結果は次の通りである. 1. 穂重. 1穂粒数,穀実収量およびたんぱく収量は尿素6g施用に比べ8g施用で明らかに増加したが,さらに施用量を増すと減少した. 本実験では,1/2,000aワグネルポット当たり植物2本立てに対し,尿素10gあるいは12gの施用では多すぎ,8gが適度であることが明らかになった. 2. 窒素施用量の増加により穀実収量は減少したが,逆に穀実の粗たんぱく含有率は増大した. 穀実の粗でんぷん含有率は窒素施用の増加によって変化がなかった. 3. 植物体の窒素含量と穀実の窒素含量の比率から,窒素を多給すると吸収された窒素は茎葉に多く残り,穀実への転流が少なくなるといえる. 4. かん水を中止して短期間乾燥することにより土壌中の窒素含有率が高まるが,この高まりと穀実収量やたんぱく収量との間にはなんの関係も認められなかった. 5. 6葉出葉期から10日はど土壌乾燥を課し,萎凋が現われる前に再びかん水すれば,窒素を多給した場合でも窒素の吸収や転流が高まって,穀実収量やたんぱく収量が増大した.
日本作物学会の論文
1981-06-25

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