部分的の無間断灌水がトウモロコシの生育におよぼす影響

概要

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鉢の一部に排水の良い個所を設け、トウモロコシの栄養生長の前期、8〜10葉期から、そこに滴々と無間断灌水を行なってpF0の地域を作る処理を行ない、その後の生育にどの様な影響をおよぼすかを観察して次の結果を得た。 1. 処理時に伸長をはじめたばかりと考えられる着生位以上の葉身、葉鞘は生長量が増大した。 2. 処理時に伸長をはじめたばかりと考えられる節間は太さを増したにとどまり、更に2節上位の節間からは長さも太さも増大した。 3. 節間の生長量の増大は、縦方向には細胞分裂による細胞数の増加により、横方向には個々の細胞が大きさを増した結果もたらされたものと考えられた。 4. 処理時に根の分化が誘導される節部より上位3節部は根数の増大は認められなかったが、根の伸長が旺盛になったことが認められ、更に上位の節部では根数が増加した。 5. 之等の変化は土壤からの養水分の吸収が容易となったことが葉の生長量を増大させ、ひいてはトウモロコシの栄養状態が良好となり、特に節部付近での細胞分裂や伸長生長が促進された結果もたらされたものと考えられた。
日本作物学会の論文
1976-03-31