第 5 葉への NAA 塗布処理がトウモロコシの発根性状におよぼす影響

概要

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トウモロコシの5葉期、7葉期、9葉期に夫々、第5葉のみへNAA 100 ppm溶液を塗布する処理を行ない、同時期に行なった葉面散布処理と比較し、次の結果を得た。1.塗布処理では第5節間と第4節間(伸長生長が既に終了したと考えられる9葉期処理を除く)の伸長量が増大した。また、第5節間の基部、即ち、第4節部で分化伸長する根数だけが増大し、そこには癒着して突出し、若干伸長してから分離する、NAA処理の特徴的な形態的変化も現われた。このように、phytomerの考え方の通り、第5葉はそれの附着する節や節間と特に強い関係をもっていた。2.塗布処理において、根の分化への影響は5葉期処理の場合だけ現われたが、節間長への影響は5.7.9の各葉期処理で現われたので、オーキシンの供給源としての葉の作用にageによる差があるのではないかと考えられた。3.葉面散布処理では伸長量の増加する節間の多いこと、根数の増加する節数の多いこと、発根した根が太くなる傾向が認められることから、吸収されたNAAの量が多かったであろうことが考えられるとともに、各節間や節部に影響の多い時期に、夫々の葉にNAAが与えられたものと考えられた。
日本作物学会の論文
1974-11-30