TTP 浸漬処理が印度ゴム挿穂の発根と芽の伸長におよぼす影響

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挿床に用いた砂と鹿沼土は孔隙量、ほ場容水量において著しく後者がすぐれ、透水性においては著しく前者がすぐれて、甚だしく挿床条件に差異が出来、床温についてみても、実験期間中、鹿沼土の床温は25℃〜29℃(午前10時の測定)程度で経過したが、砂床は日の出と共に温度が上昇し、午前10時には1.5度高くなり、以後15時頃迄1.5度ほど高温で経過した後、次第に低下して鹿沼土床の温度に近づき、17時頃から翌朝迄は気温の影響を強く受けて床温の差異は見られなかった。すでに報告した通り、床温の高い場合には、NAA濃度が高すぎると腐敗し易いので、デコラを用いNAA50ppm処理をして砂床挿しものが全部腐敗し、鹿沼土床挿しものは半数が腐敗したのは、NAA処理濃度と床温の関係と理解出来る。この様にデコラでは腐敗が多いのに対し、クライギーでは腐敗する個体は全くなく、揃って立派な根群が形成されたこと、オーキシンのプリカーサーとしてのTTP処理においても、デコラでは1000ppm処理が最も発根を促進しているのに対し、クライギーでは2000ppmであったことは、両品種間にオーキシンレベルの差異が考えられて興味深い。芽の伸長についても、比較的オーキシンレベルが高いと考えられるデコラではTTPの浸漬処理や挿床の条件が強い影響をおよぼさないのに対して、比較的オーキシンレベルが低いと考えられるクライギーでは、適度なオーキシンの補給と挿床のよい条件が芽の伸長に比較的強い影響をおよぼしたものと考えられ、今後更に追究を進めたい問題である。
日本作物学会の論文
1970-11-30

TTP 浸漬処理が印度ゴム挿穂の発根と芽の伸長におよぼす影響

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