帆崎川小流域における土壌類型の分布と水保全容量

概要

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帆崎川小流域を対象とし,大縮尺スケールで,流域の土壌類型の分布図の作製手法および土壌がもつ保水能および物質保持・浄化能を推定する手法について検討し,流域の土壌がもつ各水保全容量を推定した.また,流域の土壌類型図と各水保全容量分布図を作製した.1)帆崎川小流域の土壌類型は,低地で10,台地で15,山地で20,合計45に区分され,これにより5千分の1の大縮尺土壌類型図を作製した.2)土壌類型図を10mメッシュでデジタル化し,各土壌類型別の分布面積を求め,土壌類型の各水保全容量に分布面積を乗じて,流域の土壌類型別の各水保全容量を推定した.3)帆崎川小流域288.9haの全土層容積は6,399,785m^3,そのうち最大保水容量は3,976,696m^3,0〜5kPa保水容量は983,867m^3,5〜50kPa保水容量は446,303m^3であった.また,この小流域は,5,685MgのPAC,118,192kmol(-)のAEC,852,587kmol(+)のCECをもっていた.4)流域の土壌の保水容量は,山地で最も大きく,台地でも比較的大きいが,低地では小さい.帆崎川小流域は,土壌の保水容量が大きい流域であると考えられた.5)流域の土壌の物質保持・浄化容量は,台地で最も大きく,山地でも比較的大きいが,低地では小さい.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
2002-06-05