水保全機能評価のための土壌の類型化

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帆崎川小流域を対象とし,大縮尺スケールで,深層土層を含む土壌の水保全に関わる特性を解明し,山地,台地,低地を含む流域の土壌がもつ保水・透水能および物質保持・浄化能を評価するための土壌調査法,層位と土壌の類型化と水保全機能評価の手法を検討し,層位類型別の水保全指標および土壌類型別の水保全容量を求めた.1)土壌がもつ水保全機能を表す指標は,保水・透水能を表すものとして最大保水容量,0〜5kPa保水容量および5〜50kPa保水容量,透水能を表す指標として飽和透水係数と浸透深指標を取り上げた.また,リン酸,硝酸性窒素,塩基,重金属等の物質の保持・浄化能を表す指標として,PAC,AEC,CECおよびBSPを取り上げた.2)土壌は,土壌統群,層位の配列と厚さおよび土層深の違いにより土壌類型に区分した.層位名,母材,土性などが類似の層位は,一つにまとめ層位類型を設定し,土壌類型を代表する層位類型の配列と厚さをもつ標準断面を設定した.土壌類型は,低地で10,台地で15,山地で20,合計45となった.3)層位類型の水保全指標値は,層位類型を代表する層位の土壌試料の関連する特性の分析によって求めた.各水保全指標値は層位類型により大きな違いがあった.4)土壌類型の水保全容量は,各土壌類型の標準断面を基に層位類型別の水保全指標値にその層位類型の厚さを乗じたものを各土壌類型別に積算して求めた.土壌類型により各水保全容量に大きな違いが認められた.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
2002-06-05

水保全機能評価のための土壌の類型化

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