サツマイモ苗の発根に及ぼす地温の影響 : 第2報 苗の発根最適地温並びに低地温での発根能力の品種間差異
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概要
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サツマイモ苗の発根最適地温並びに低温での発根能力の品種間差異をわが国の主要な12品種・系統について制御環境下で調査し, 次のような結果を得た. 苗の発根最適地温を活着と関連の深い挿苗1週間後の総根長でみるとコガネセンガン, 沖縄100号等8品種では30℃付近が適温であったが, 高系14号, 農林2号, タマユタカ, ベニコマチではそれらより高い35℃付近が適温であった. 一方, 最適地温が29℃以下の品種は認められなかった. 不定根当たりの平均根長についてはベニコマチを除くと, 30℃付近で最大値を示し, 根の伸長に関しては多くの品種で30℃付近が適温と思われた. 不定根数については明らかな最適地温は認められず, 30℃付近で若干減少する傾向が認められた. 総根長に対する適温が高い品種・系統は高温での根の伸長阻害が少なく, 根数の増加が大きかった. 18℃と28℃の地温条件下での挿苗1週間後の発根量の比率等から低温による発根の阻害程度の品種間差異をみたところ, 農林1号, ミナミユタカでは低温による発根の阻害程度が少なく, タマユタカ, 農林2号, シロユタカ, シロサツマでは発根の阻害程度が大きかった. さらに, 生育の限界温度に近い15℃の地温条件下での挿苗5週間後の発根量を調査したところ, 農林1号やミナミユタカでは単位苗重当たりの発根量が多く, 低地温下での発根・活着能力が高いと思われた.
- 日本作物学会の論文
- 1989-03-05
著者
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