各種動物におけるミクロゾーム酸化酵素系について, とくにチトクローム P-450 と酸化活性
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概要
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各種動物ミクロゾームにおけるチトクロームP-450含量, アニリンの核水酸化活性およびジメチルアニリンのN-脱メチル化活性を比較した.N-脱メチル化活性はラット肝>モルモット肝>ハト肝≥食用ガエル肝≥トノサマガエル肝>ワモンゴキブリ脂肪体>コイ肝>ミツバチ腹部>ニカメイチュウ全虫体の順であった.ワモンゴキブリ中腸, イエバエ腹部および頭胸部, ミツバチ頭胸部, カイコ脂肪体および中腸では活性は認められなかった.核水酸化活性は食用ガエルとトノサマガエルが哺乳類に次いで活性が高く, 昆虫ではワモンゴキブリ脂肪体を除いて活性は認められなかった.チトクロームP-450含量はハトおよびコイを除いた脊椎動物で比較的高く, 昆虫では低かった.チトクロームP-450と酸化活性, すなわち両基質に対する酸化活性レベルは必ずしも平行関係にはなかった.これは動物種によるnatural inhibitorの存在およびチトクロームP-450の安定性と基質特異性が関与しているためと考えられる.私達は, 理化学研究所昆虫薬理研究室主任研究員, 福永一夫博士の有益な助言に感謝します.また, 農業技術研究所, 宍戸孝博士に数多くの有益な助言および討論をいただいたことに感謝します.
- 1978-05-20
著者
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深見 順一
理化学研究所
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深見 順一
明薬大生物
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臼井 トア子
理化学研究所昆虫薬理研究室
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臼井 トア子
理化学研究所微生物制御研究室 分子昆虫学研究室:(現)理化学研究所筑波研究所バイオリソースセンター
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臼井 トア子
理研
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