ヨトウガ (Mamestra brassicae L.) オス幼虫の培養生殖細胞による ^<14>C-標識 DDT およびパラチオンの取り込み
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概要
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ヨトウガ(Mamestra brassicae L.)雄, 蛹1日目の個体から得た生殖細胞を^<14>C-標識DDTおよびパラチオンを含むGraceの培地で培養し, 取込み率を調べた.その結果, 生殖細胞によるDDTの取込みは, 培養開始後1∿3時間で, 非常に急速に取り込まれたが, パラチオンの場合には, 取り込み率は非常に低かった.顕微鏡下で, 外観的に生殖細胞に影響がない低濃度(0.0001∿0.01%)の界面活性剤(Triton X-100)を使って, DDTを取り込ませた細胞を洗うと全体の39.8%が洗い出された.また細胞内に取り込まれたDDTが0.05, 0.1, 0.5, 1%の濃度のTriton X-100で細胞を可溶化した場合, どれだけ溶出されるかも調べられた.1%の濃度で可溶化されない画分に残っているDDTは, 0.01%の界面活性剤処理で洗い出されなかったDDTの量の4.9%であった.以上の結果から, 生殖細胞によって取り込まれたDDTは脂質に富む細胞表面(あるいは膜構造)に多く結合していることが示唆された.
- 日本農薬学会の論文
- 1979-02-20
著者
-
清水 利昭
理研
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清水 利昭
The Institute of Physical and Chemical Research Wako
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村上 誠
The Institute of Physical and Chemical Research Wako
-
深見 順一
The Institute of Physical and Chemical Research Wako
-
深見 順一
明薬大生物
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村上 誠
理化学研究所
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深見 順一
The Institute Of Physical And Chemical Research
-
村上 誠
The Institute of Physical and Chemical Research
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