コナマダラメイガの薬剤抵抗性について : 第1報 メチルパラチオン抵抗性の発達
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概要
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コナマダラメイガに対して実験室内で薬剤抵抗性をつけることを試みた.淘汰薬剤にはメチルパラチオンを選び, 淘汰率を80%として, 終令幼虫に対しdry film methodにより淘汰および検定を行なったところ, 淘汰開始後6世代目に標準区と明瞭に抵抗性の差が認められる系統が得られ, この系統は16世代目には約7倍の抵抗性を発達させた.この系統は抵抗性がますにつれ, 薬剤感受性のhomogeneityがはじめ低くなり, のち高くなる傾向を示した.淘汰を止めた場合の抵抗性の減少は14世代目以後はゆるやかになった.抵抗性系統では幼虫の体色が桃色になり, 成虫の体色が白味がかってくるが, これはいずれも抵抗性とは直接の関係はなかった.この系統はスミチオン, マラソン, メチルパラオキソンに交差抵抗性を示したが, エチルパラチオン, EPNには示さなかった.コリンエステラーゼのメチルパラオキソンに対する感受性, アロマチックエステラーゼ, アリファチックエステラーゼおよびコリンエステラーゼの活性も検討したが, これらのものは, アリファチックエステラーゼを除いて、直接抵抗性には関係ないと判断された.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1964-03-25
著者
-
深見 順一
理化学研究所
-
橋本 康
The Ministry of Agriculture and Forestry
-
深見 順一
The Institute Of Physical And Chemical Research
-
橋本 康
農林省農薬検査所
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